通関手続きとは?2026年版・完全ガイド|流れ・日数・費用・土日対応まで徹底解説

通関手続きとは?2026年版・完全ガイド|流れ・日数・費用・土日対応まで徹底解説

通関手続きとは、輸出入する貨物が日本の税関を通過するために必要な、申告・審査・許可の一連の手続きです。

  • 通常の通関にかかる日数:最短即日(区分1)、一般的に1〜3営業日
  • 土日祝日NACCSでのオンライン申告は可能。ただし税関審査官の対応は原則として平日のみ
  • 費用の目安:通関業者への手数料5,000円〜25,000円+関税・消費税
  • 根拠法令:関税法、外国為替及び外国貿易法(外為法)

通関手続きとは何か

通関手続きとは、外国から日本に貨物を持ち込む、あるいは日本から外国へ貨物を送り出す際に、税関に対して行う法的な申告・審査・許可の一連のプロセスのことです。

関税法第2条に基づけば、輸出入貨物はすべて税関長への申告が義務付けられており、許可を得ない限り貨物を引き取ることも国外へ搬出することもできません。つまり、どれだけ急いでいても、この手続きを省略することは法律上できません。

わかりやすく言えば、「国境を越えるすべての荷物には、日本政府へのパスポート審査に相当する手続きが必要」と考えるとイメージしやすいでしょう。そのパスポート審査に当たるのが税関であり、その手続き全体を指すのが通関手続きです。

手続きは大きく輸入通関と輸出通関に分かれます。輸入通関は、外国から届いた貨物を保税地域(倉庫)から引き取るために必要な手続きで、関税や消費税の納付も伴います。輸出通関は、日本から外国へ貨物を送り出すための申告で、関税の納付は原則不要ですが、輸出許可証の取得が必要です。

多くの企業は、この手続きを専門業者である通関業者に委託します。通関業者は関税法に基づき許可を受けた専門家であり、申告書類の作成から税関との交渉まで、代理で行います。UFI Shippingのような通関・輸出前検査の専門チームに委託すれば、書類作成からHSコード分類、税関との調整まで一括して対応してもらえます。ただし、委託先の業者が優秀でも、荷主側が正確な情報と書類を用意しなければ、手続きはスムーズに進みません。この点は後述する遅延の項目で詳しく説明します。


通関手続きの全体フロー:貨物が届くまでの7ステップ

輸入通関を例に、貨物が保税地域(港や空港の倉庫)に到着してから手元に届くまでの流れを具体的に見ていきます。

貨物の搬入と保税地域への蔵置

外国から船や航空機で届いた貨物は、まず保税地域と呼ばれる指定の倉庫エリアに搬入されます。保税地域とは、関税の課税が一時的に保留された特別な場所で、東京港、横浜港、大阪港、成田空港、関西空港などに設置されています。貨物はここで通関許可が下りるまで保管されます。通関許可前の一時保管が必要な場合、UFI Shippingの保税・ヤード管理サービスのような施設を活用することで、安全かつ効率的に貨物を管理できます。

インボイス・パッキングリスト等の書類準備

荷主または通関業者は、インボイス(商業送り状)、パッキングリスト、船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(AWB)、そして品目によっては検疫証明書、原産地証明書、食品等輸入届出書などの追加書類を揃えます。この段階で書類に不備や記載ミスがあると、後の審査で必ず引っかかります。

HSコードの確認と関税率の計算

すべての貨物には、国際的に統一された品目分類番号であるHSコード(HS番号)が割り当てられます。このコードに基づいて関税率が決まるため、正確な品目分類は通関手続きの中でも特に重要な工程です。例えば、電子部品として輸入するのか、完成品として輸入するのかによって関税率が大きく変わるケースがあります。

NACCSを通じた輸入申告

日本の通関手続きの大部分は、税関の電子システムであるNACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)を通じて行われます。通関業者がNACCSに申告データを入力・送信し、税関に申告が受理されます。

税関による審査と通関区分の決定

税関はNACCSで受け取った申告データをもとに審査を行い、貨物を3つの通関区分のいずれかに振り分けます。この区分が、通関手続き完了までの時間を左右する最大の要因です(区分の詳細は次章で解説します)。

関税・消費税の納付

輸入申告が許可される条件として、関税および輸入消費税(10%)の納付が必要です。ただし、特定の条件を満たす事業者は「延納制度」を利用して後払いにすることもできます。

輸入許可と貨物の引き取り

税関から輸入許可が下りると、NACCSに許可通知が届きます。これをもって通関手続き完了となり、荷主は倉庫から貨物を引き取ることができます。輸出の場合も基本的な流れは同様で、輸出申告から輸出許可まで一連の手続きを経ます。


通関手続きにかかる時間・日数:区分別リアルタイムライン

「通関手続き何日かかるのか」という質問への正直な答えは、「税関が貨物をどの区分に振り分けるかによって大きく異なる」です。この区分を知らずに「通常1〜2日」という漠然な情報だけを信じると、スケジュール管理で痛い目を見ます。

通関区分1(即時引取)

区分1とは、申告内容に問題がなく、書類審査や貨物検査が不要と判断されたケースです。NACCSに申告データを送信すると、ほぼリアルタイムに許可が下ります。実務的には申告から許可まで数分から数十分です。

航空貨物のうち、過去の通関実績が豊富で問題のない荷主からの少額・低リスク貨物はこの区分になりやすい傾向があります。ただし、新規の輸入者や初めて輸入する品目は区分1になりにくいことを覚えておいてください。

通関区分2(書類審査)

区分2とは、申告書類の内容に疑義や確認事項があり、税関審査官が書類を精査するケースです。インボイスの金額記載に疑問がある場合、品目分類(HSコード)が適切かどうかを確認したい場合、原産地の証明が必要な場合などが該当します。

書類審査の所要時間は通常半日から1営業日です。追加書類の提出を求められた場合は、その書類の用意にかかる時間も加算されます。例えば、食品を輸入する場合は食品衛生法に基づく食品等輸入届出書の確認が行われることがあり、厚生労働省との連携が生じることもあります。

通関区分3(貨物検査)

区分3とは、実際に貨物を開梱して物理的な検査を行うケースです。申告内容と実際の貨物が一致しているかを確認するもので、疑義がある貨物、初回輸入の品目、リスクが高いと判断された品目などに適用されます。

所要時間は1〜5営業日が一般的ですが、検査の混雑状況や貨物の規模によっては1週間以上に及ぶこともあります。また、貨物検査によって梱包が解かれた場合、再梱包の費用は荷主負担となります。

日数の現実的な目安まとめ

書類が完全に揃っている前提での目安です。

通関区分所要時間の目安主なケース
区分1(即時許可)数分〜数十分実績ある荷主・少額・低リスク品目
区分2(書類審査)半日〜1営業日HSコード・金額・原産地の確認が必要
区分3(貨物検査)1〜5営業日以上初回輸入・疑義あり・高リスク品目

なお、輸出通関は輸入に比べて手続きが簡素で、区分1に振り分けられることが多く、即日または数時間での完了が一般的です。


通関手続きと土日祝日:「土日は止まるのか?」への正直な答え

「通関手続き 土日」というキーワードは非常に多く検索されています。特に、週末をまたぐ輸入案件や、週明けの納品を目指している事業者にとって切実な問題です。ここでは正確な情報を整理します。

NACCSへの申告:土日祝日でも可能

NACCSシステム自体は、365日24時間稼働しています(定期メンテナンス時間を除く)。そのため、通関業者は土曜日・日曜日・祝日でも申告データをシステムに送信することができます。ただし、これは「申告を登録できる」という意味です。「土日に審査と許可が下りる」こととは別の話です。

税関審査官の対応:原則として平日のみ

日本の税関は、土日祝日は原則として休業です。申告データがシステムに入っていても、審査官が確認・判断するのは翌営業日(月曜日または祝日明け)の業務開始後となります。

例えば、金曜日の夜遅くに申告を送信し、貨物が区分2(書類審査)に振り分けられた場合、実際の審査が始まるのは月曜日の朝になります。この間、貨物は保税地域で待機し続けます。週末の待機中に安全な保管環境が必要な場合は、UFI Shippingのウェアハウジング・ヤード管理サービスが対応しています。

例外:成田・羽田・関西など主要空港の一部窓口

輸入量が特に多い成田国際空港税関や関西空港税関など、一部の主要税関では、土日や深夜でも限定的に対応している部署があります。特に航空貨物で「時間外通関」の申請を行えば、割増手数料(時間外取扱料)を支払うことで審査を受けられる場合があります。ただし、これは特例措置であり、すべての税関が対応しているわけではありません。事前に通関業者を通じて確認することが必要です。

ゴールデンウィーク・年末年始の注意点

5月初旬のゴールデンウィーク、年末年始(12月29日〜1月3日)は、連続した休日となるため通関手続きが最大9〜10日間停滞することがあります。輸入スケジュールを立てる際は、これらの時期を必ず考慮に入れてください。海外サプライヤーへの発注と船積みのタイミングを逆算して計画することが重要です。

保税倉庫の保管期間にも注意

貨物は保税地域に到着してから原則として3ヶ月以内に輸入申告を行う必要があります(関税法第45条)。土日を含む連休で申告が遅れている場合でも、この期限は進みます。長期の休日をまたぐ場合は、事前に申告を済ませておくか、倉庫への蔵置延長を手配しておくことが賢明です。


NACCSシステムの最新動向(2025年・2026年対応)

NACCSは日本の輸出入手続きを支える基幹システムですが、2024年から2026年にかけて段階的な機能強化が進められています。実務担当者として把握しておくべき点を整理します。

NACCS第8次システムへの移行

日本関税協会および税関が推進してきたNACCS第8次更改の一部施策が、2024年以降に順次反映されています。主な変更点として、電子インボイスとの連携強化、申告書データ項目の一部見直し、そして特定の品目について書類提出のペーパーレス化が進められています。

通関業者からは、特に輸入申告における添付書類の電子化対応が進んでいることが報告されています。これにより、原産地証明書や検査証明書の電子提出が可能になるケースが増え、書類の郵送・持参による時間ロスが削減される方向に動いています。

自動化審査の比率向上

税関はリスク管理型の審査体制を強化しており、過去の実績データに基づく自動審査の精度が上がっています。これは、信頼性の高い荷主(AEO事業者など)にとっては区分1許可の割合が上がるというメリットをもたらしています。一方で、新規輸入者や初回品目については引き続き丁寧な確認が行われています。

AEO制度(認定事業者制度)の活用

2026年時点で、AEO(Authorized Economic Operator)制度の認定を受けた事業者は、通関手続きの簡略化・迅速化の恩恵を受けられます。関税法に基づくこの制度では、認定を受けた輸入者・通関業者・保税蔵置場等が連携することで、貨物到着前の事前申告や迅速審査が可能になります。輸入量が多い企業にとって、この認定取得は通関コスト・時間の両面で大きなメリットがあります。

電子原産地証明への対応

EPA(経済連携協定)を活用した関税軽減のために原産地証明書が必要なケースでは、電子的な証明書の活用が日本税関でも拡大しています。特に、日EU・EPAやRCEP(地域的な包括的経済連携)協定を活用した輸入では、この動きが顕著です。


通関手続きにかかる費用:項目別コスト完全内訳

「通関費用はいくらかかるのか」という点について、多くの情報源が曖昧な表現でしか説明していません。ここでは実務に即した具体的な費用項目を解説します。

通関業者手数料

通関業者に手続きを委託した場合、貨物1件あたりの手数料の目安は以下のとおりです。

  • 少額貨物(課税価格20万円以下):5,000円〜10,000円程度
  • 一般貨物(商業輸入):10,000円〜25,000円程度
  • 大型貨物・複雑な品目:25,000円以上のケースあり

これらはあくまで目安で、貨物の種類、量、品目数、通関業者によって大きく変わります。相見積もりを取ることを強く推奨します。

関税

関税は、輸入貨物の種類(HSコード)と原産国によって税率が決まります。日本は特恵関税制度や各種EPAにより、一定の条件を満たす場合に関税率が軽減または免除される場合があります。例えば、特定の農産物には高い関税率が設定されている一方、工業製品の多くは関税率が低いか無税です。

輸入消費税

輸入貨物には、CIF価格(貨物代金+保険料+運賃)に関税を加えた金額を課税標準として、消費税10%(そのうち地方消費税2.2%を含む)が課されます。これは国内での購入と同様の扱いです。消費税の課税事業者は後に仕入税額控除として取り戻すことができますが、免税事業者は負担として残ります。

通関手数料以外にかかる付帯費用

見落とされやすいのが、通関業者手数料以外の付帯費用です。保税倉庫の保管料は通関許可が遅れるほど増加します。輸出入許可前引取承認手数料が特定のケースで発生することもあります。食品、植物、動物・畜産品の場合は検疫検査料がかかります。外国語書類の日本語訳が必要な場合は書類翻訳費用も生じます。また、区分3(貨物検査)の際には再梱包費用が荷主負担となります。

これらを含めると、実際の通関コストは当初の見込みより20〜50%増になることがあります。事前に通関業者と「費用が発生しうるすべての項目」を確認しておくことが重要です。

少額輸入貨物の特例(20万円以下)

課税価格が20万円以下の貨物については「少額輸入貨物の特例」が適用され、通常より簡略化された「簡易申告」または「特例申告」が可能です。これにより、通関業者手数料が抑えられるほか、手続き時間も短縮されます。ただし、特定の規制品目(アルコール、タバコ、医薬品など)は少額でも通常通関が必要です。


EC事業者・個人輸入者が知っておくべき実務ポイント

越境ECを運営している事業者や、海外サイトから定期的に個人輸入をしている方には、一般的な通関解説では触れられていない独特の注意点があります。

小口・多頻度輸入は「低額少量」とみなされにくい

「少額だから税関は見ない」という誤解が根強くありますが、これは正しくありません。同一の住所・事業者名に同じカテゴリの商品が繰り返し搬入されると、税関のリスクシステムが商業輸入と判断し、区分2または区分3に振り分けられることがあります。個人輸入を装った商業輸入はグレーゾーンであり、場合によっては関税の追徴や罰則の対象になります。

輸入規制品目への注意

EC事業者が海外サプライヤーから仕入れる際に特に注意が必要な規制品目があります。食品・サプリメントは食品衛生法の検疫検査が必要です。化粧品・医薬部外品は薬機法の規制を受けます。電気製品は電気用品安全法(PSE)の適合確認が求められる場合があります。植物・木材製品は植物防疫法の対象です。皮革・毛皮製品はワシントン条約(CITES)の規制対象になる場合があります。これらを事前に確認せずに輸入申告すると、通関で差し止め・廃棄命令・送り返しとなる可能性があります。規制品目かどうか判断に迷う場合は、UFI Shippingの通関専門チームに事前相談することをおすすめします。

返品・再輸入時の手続き

EC事業者が消費者から返品を受けた場合、その商品を海外サプライヤーに戻す際にも輸出通関が必要です。再輸入してきた商品については、一定の条件を満たせば「再輸入免税」が適用され、当初の関税が免除される場合があります(関税法第14条)。この制度を知らないと、二重に関税を支払うことになります。

送り状(Invoice)の記載と申告価格の整合性

EC事業者がよく直面するのが、海外サプライヤーが「関税を下げようとして」インボイスの金額を実際より低く記載してくる問題です。これは関税法上の不正申告に当たり、発覚した場合には荷主である事業者が責任を問われます。サプライヤーへの指示として、インボイスには必ず実際の取引価格を記載するよう徹底してください。


通関遅延の主な原因と、未然に防ぐための実践チェックリスト

通関遅延は、事業の売上・在庫計画・顧客満足度に直接影響します。経験豊富な輸出入担当者でも遅延に遭遇しますが、その大半は事前の準備不足が原因です。

遅延の主な原因トップ5

書類の不備・記載ミスが最も多い原因です。インボイスの金額・品名・数量がパッキングリストやB/Lと一致していないことで書類審査が長引きます。次いで多いのがHSコードの誤りまたは未確定で、初めて輸入する品目のコード分類は専門知識が必要なため、税関に問い合わせが発生すると時間がかかります。

輸入規制品目の事前確認不足も深刻な原因です。検疫・許認可が必要な品目で事前申請を怠ると、到着後に大幅な遅延が生じます。保税地域での搬入遅延として、船や航空機の到着遅延も通関開始を遅らせます。また、金曜・連休前は税関への申告が集中し、審査待ちが長くなります。

通関遅延防止チェックリスト

船積み前(または出荷依頼前)に以下を確認してください。

インボイスに品名・数量・単価・原産国・支払い条件が正確に記載されているかどうか。パッキングリストがインボイスの数量・重量と完全に一致しているかどうか。輸入品目がHSコードで正確に分類されているか、UFI Shippingのような通関専門業者に事前確認を行ったかどうか。食品・化粧品・電気製品等の場合、輸入前に必要な許認可・届出が済んでいるかどうか。原産地証明書(EPA活用の場合)が準備できているかどうか。連休や年末年始をまたぐ場合は、到着予定日から逆算したスケジュールを組んでいるかどうか。通関業者に事前に品目・数量・到着予定日を連絡し、想定される審査区分を確認しているかどうか。


通関用語グロッサリー:15の重要用語を平易な日本語で解説

保税地域(ほぜいちいき) 税関の管理下に置かれた倉庫エリアで、通関が完了するまで貨物が保管される場所。港や空港に隣接して設置されています。

NACCS(ナックス) 「輸出入・港湾関連情報処理システム」の略で、日本の通関・港湾手続きを電子化した政府システム。ほぼすべての輸出入申告はNACCSを通じて行われます。

HSコード(エイチエスコード) 国際的に統一された品目分類番号(ハーモナイズド・システム・コード)。最初の6桁は国際共通で、日本では9桁または10桁を使用します。このコードで関税率が決まります。

インボイス(商業送り状) 売買の証拠となる書類で、商品名・数量・単価・原産国・取引条件が記載されます。通関申告の最重要書類の一つです。

B/L(船荷証券:ビーエル) 海上輸送で発行される貨物の受け取り証兼有価証券。輸入通関時にはオリジナルまたはSurrender B/Lが必要です。

AWB(航空貨物運送状:エーダブリュービー) 航空輸送で発行される貨物の運送証書。B/Lとは異なり有価証券ではなく、到着後すぐに貨物の引き取りが可能です。

関税(かんぜい) 輸入貨物にかかる税金で、HSコードと原産国に基づいて税率が決まります。国内産業の保護や貿易政策の観点から設定されます。

通関業者(つうかんぎょうしゃ) 関税法に基づき、荷主に代わって税関への輸出入申告を行う国家許可業者。カスタムズ・ブローカーとも呼ばれます。

輸入許可(ゆにゅうきょか) 税関長が輸入申告を審査し、関税等の納付を確認したうえで発行する許可。この許可が下りてはじめて保税地域から貨物を引き取れます。

AEO(認定事業者:エーイーオー) 税関が認定した信頼性の高い事業者。認定を受けると、貨物到着前の事前申告や通関の迅速化などの優遇が受けられます。

EPA(経済連携協定) 日本が特定の国・地域と結んだ貿易協定で、協定に基づき関税の軽減または撤廃が行われます。原産地証明書の提出が条件となります。

検疫(けんえき) 食品・動植物・動物製品などが、感染症や害虫を持ち込まないかを確認する国境での検査。厚生労働省(食品)や農林水産省(植物・動物)が管轄します。

課税価格(かぜいかかく) 関税と消費税を計算するための基準額。原則としてCIF価格(貨物代金+保険料+運賃)を元に算出されます。

特恵関税(とっけいかんぜい) 発展途上国から輸入される品目に適用される優遇関税率。一般特恵関税(GSP)制度に基づき、通常より低い税率が設定されます。

外為法(がいためほう) 「外国為替及び外国貿易法」の略称。特定の品目(武器・軍事転用品・高度技術品等)の輸出に際し、経済産業省への許可申請が必要となる根拠法令です。


よくある質問(FAQ)

Q. 通関手続き完了までの平均的な日数は何日ですか?

書類が完全に揃っている前提で、区分1(即時許可)なら数分から数十分、区分2(書類審査)なら半日から1営業日、区分3(貨物検査)なら1〜5営業日が目安です。書類の不備や規制品目の場合はさらに日数がかかります。

Q. 土日祝日でも通関手続きは進みますか?

NACCSへの申告は土日祝日でも可能です。ただし、税関審査官による審査と許可は原則として平日のみとなります。一部の主要空港では時間外対応も可能ですが、追加費用が発生します。

Q. 通関業者に頼まず自分で通関できますか?

荷主本人が自ら税関に申告する「自家通関」は法律上可能です。ただし、NACCSの利用登録や書類作成に専門知識が必要なため、輸入量が少ない場合でも通関業者への委託が現実的です。

Q. 個人輸入でも通関手続きは必要ですか?

必要です。海外から個人宛に送られる荷物も税関を通り、課税価格が一定額を超える場合は関税・消費税が課されます。課税価格が1万円以下の場合は原則として免税ですが、例外品目もあります。

Q. 輸入が差し止められた場合、どうすればいいですか?

税関から輸入差し止めや照会の通知が届いた場合、まず通関業者に連絡し、不備の内容を確認します。追加書類の提出で解決できるケースが多いですが、輸入禁止品目に該当する場合は輸出者への送り返しまたは廃棄となります。

Q. 通関費用(関税)の計算はどうすればわかりますか?

財務省関税局が公開している「実行関税率表」で品目別の税率を確認できます。また、事前に通関業者に概算見積もりを依頼することも有効です。

Q. 輸出通関と輸入通関の違いは何ですか?

輸出通関は日本から貨物を送り出すための申告で、関税の納付は原則不要です。輸入通関は外国から貨物を受け取るための申告で、関税・消費税の納付が伴います。輸入の方が手続きが複雑で、時間と費用がかかる傾向があります。


まとめ

通関手続きは、輸出入ビジネスの根幹をなす法的プロセスです。以下の要点を押さえておけば、現場での判断が格段にスムーズになります。

通関手続きとは、関税法と外為法に基づき、すべての輸出入貨物に義務付けられた申告・審査・許可のプロセスです。通関の所要時間は通関区分によって大きく異なり、区分1なら即日、区分3なら1週間以上かかることもあります。土日祝日はNACCSへの申告は可能ですが、審査・許可は原則として翌営業日以降となります。書類の完全性が通関スピードを決める最大の要因であり、インボイス・パッキングリスト・B/L等の正確な記載が最優先事項です。費用は関税・消費税に加え、通関業者手数料・倉庫料・検疫費用等が加わるため、全体像を把握して計画することが重要です。NACCSのシステム強化やAEO制度の活用など、2026年以降も手続きの電子化・迅速化が進んでいます。

通関で迷ったとき、判断に自信が持てないときは、経験豊富な通関業者への相談が最善の選択肢です。